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●本日は、単なるグチみたいなモノですが…。


●独禁法、
この法律について、
法務の方からよく言われるのが、

 「何となく分かったようでやっぱり分からない」、と。

 うん、
まぁ、弁護士さんですら、
それなりに案件の経験があるはずなのに、
実は分かってそうで分かってないというか、
違法性判断が極めてシンプルな価格カルテルや入札談合以外はちょっとイマイチ…って、
そのような場合すらあるわけなので、
法務の方からすると況や…、という感じなのでしょうねぇ。

 かつては、
目と目で通じ合う?」で述べたように、
全案件に占める価格カルテルと入札談合の数も圧倒的だったし(今もだけど)、
そもそも課徴金リスクもそれらに集約されていたし、という感じだったんだけど、
最近は特に課徴金を課される行為類型の範囲が拡大しているせいもあり、
さすがに上記二つ以外の行為類型についても体系的な理解を持ってないとね。
 
 ということで、
価格カルテルや入札談合以外をお勉強する上で、
もっと言うと独禁法の体系的な理解を得る上で、
よく蹴躓きやすい点をいくつか。


●まずは、
言葉の問題ね。

 これは、
あくまでドメドメ?」というツボでも述べたとおり、
不適切なレッテル貼りによって正確な理解が阻害されることってあるわけです。

 で、
独禁法の世界では、
外国の議論を導入したせいもあるかもしれませんが、
必ずしもそのような他責的要因だけじゃなくて、
とにかく言葉の使い方が不適切じゃないかと思われることがよくある。

 典型的には、
「共同行為」という言葉ね。
 例えば、
メーカー/卸売業者による小売店等に対する再販売価格の拘束、
これについて「共同行為」というレッテルを貼る方がいる。
 素朴に言えば、
それって、メーカー/卸売業者による単独行為であって、
別に小売店等と共同しているわけではないはず。
 もちろん、
小売店等から再販拘束を要求されるような場合も少なくないけど、
そのような拘束を嫌がる小売店等だって現にいるわけで、
特にそのように嫌がる小売店等との関係で言えば、
どう考えたって共同してるわけがない。

 それから、
最近流行りの「他者排除」という言葉ね。
 ある権威の方によれば、
独禁法違反行為が生み出す弊害というのは、
「他者排除」が絡むものと絡まないものの大きく二つに整理できる、と。
 だけど、
この「他者排除」って言葉もまたクセモノなのよね。
 例えば、
拘束条件付取引の典型場面の一つである販売先の制限、
これって販売先からすれば排除されているようにも捉えられそう。
 特に上記整理を提唱される方によれば、
「他者排除」でいう「他者」ってのは競争者以外も広く含み得る、とされてるしね。
 じゃぁ、
そのような販売先の制限が、
「他者排除」が絡むものと整理されるか?というと、
実はそうではないわけですねぇ。

 もちろん、
論じてる方自身の中では、
厳密にイメージが固まっているのかもしれないけど、
そのレッテルから素朴に受け止められるイメージからは乖離して用いられることがシバシバ。


●次、
「行為類型よりも弊害の有無/種類を重視しましょう」という点。

 独禁法、
この法律はとにかく条文の出来が悪い。
 これは、
不公正な取引方法に関する一般指定も含めて。
 特に顕著なのは、
やはり独禁法上問題とされる行為類型の整理/作り込みが甘いこと。
 なので、
無駄に重複して適用されたり、
検討すべきポイントを外しやすかったり、と、
 例えば、
差別対価は、
一つの行為類型に見えて、
実は検討すべきポイントが全然違う二つの類型を中に含んでるわけですね、
 廉売型と準取引拒絶型という二つです。
 ちなみに言えば、
悪名高い審判制の下で、
法律の内容のみならず運用も最悪という始末だから手に負えない。
 
 そのような中で、
一つの整理の仕方として、 
「弊害の有無/種類」を重視しましょう、と、
この観点で整理すれば実は前記のように大きく言って2つの種類しかないのです、と、
そういう目の覚めるような整理が出てくるわけです。

 で、
そのような整理自体は、
頭の整理として非常に有益なわけですが、
実はそこで止まってしまっては実務での実際の検討はできないわけです。

 最終的に「弊害の有無/種類」を重視すると言っても、
実際に実務で検討を行うにあたって、まず取っ掛かりとなるのは、
やはり行為類型しかないんですよね。

 それに、
行為類型によって弊害を生じさせやすいものもあれば、そうでないものもある。
 タコツボ的と言われようがなんだろうが、
何が特に問題となりやすい行為類型なのかを押さえるのは、
実務を効率よく回す上では必須だと思います。
 

●さらにもっと言うと、
「弊害の種類」に着目すると言っても、
先ほどの「他者排除」という言葉の問題だけにとどまらず、
実際のトコロ、どう区別したらいいのか良く分からなくなる人が多い。

 それもそのはず、
独禁法違反行為というのは、詰まるトコロ、
価格と品質による競争を阻害することに全てつながるわけです。

 なので、
ホントに抽象的にまとめていけば、
弊害ってのは一つの種類になっちゃうわけですよ。
 これは、
過去の裁判例/審決例における弊害の認定文言を見れば明らか。

 もちろん、
そのような最終的なトコロに着地するまでのプロセスには違いが見出し得るわけですがね。


●さて、
以上述べてきたところを簡潔にまとめると、
独禁法を実務で使えるように勉強したければ、
昔ながらのオーソドックスな教科書を読む方がまだマシでしょう(爆)。


●本日のツボはここまで。

 長らく更新ストップしてて、すみませんでした。
 はい、まだ生きてます…、一応(笑)。

 3月からずっとアホみたいに忙しい日々でした…。
 ようやくGWで一服できましたが、殆ど事務所に行ってたような気も。。


(2012年5月7日記)
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