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●ひょっとしたら不謹慎かもしれんが、何だかんだ言って訴訟は面白い!


●最近は、
「訴訟を全くやりません」という弁護士も珍しくなくなったけど、
一昔前は、
弁護士と言ったらやはり訴訟だし、
訴訟もやらないで一人前の弁護士とは言えん、と、
そういう風潮が強かったですよね。

 ひょっとしたらもう古いのかもしれんが、
私なんかは未だにそのような風潮に親しみを覚えるし、
自分自身、訴訟その他の紛争系はかなり好きな方なんだなぁ、と、
分かりえなかった両者が合意に至る時の快感を含めてですが、
最近しみじみそう感じるようになったり。

 ということで(?)、
本日は昨日に引き続く訴訟のツボとして、
証拠提出のタイミングについて一言二言。


●で、
いきなりなんだけど、
訴訟ってのはさ、
特に弁護士以外の方にとっては、
ある意味、非日常空間的なところがあるんだよね。

 そういう非日常空間に入ると、
一番最初に湧き出てくる気持ちってのは、
やはり不安、不安、不安。

 でさ、
不安になるとどうなるかというと、
とにかく焦っちゃうんだよね。

 で焦るとどうなるかというと、
少しでも自分に有利な事情を、
とにかく片っ端からドンドン出しまくる、と。

 たださぁ、
これを余りに早くやりすぎるとね、
相手にこちらの手の内が全て分かっちゃうわけで、
相手はそれを前提とした戦法に切り替えてきますわな。
 それじゃぁ、
訴訟がムダに複雑化したり長引いたりするときがある。


●もちろん、
訴訟の場面では、
焦るというか急ぐことってのは、
それなりに大事なのよ。

 言うまでもなく、
裁判官も人間なんだから、
一度抱いた先入観というのは、
なかなか拭いがたいという現実もある。
 そして、
その先入観というものは、
訴状や答弁書の段階から既に形成されつつある、と、
そういうことも忘れてはいけない。

 だからこそ、
ベスト・エビデンスは早めに、と、
そういう話も出てくる。

 ただね、
そこでいう「早め」ってのにも、
一応タイミングがあると思うのよね。
 後、
そのタイミングについても、
事案に応じて様々でしょう、と。
 単に早めに出すということだけだと、
さっき言ったような事態も招いてしまいかねない。


●まぁ、
抽象的に説明するのはなかなか難しくて歯痒いんですが、
こういう証拠提出のタイミングが重要な典型場面というのは、
物証とか客観的証拠が少ない事件ですね。
 特に、
問題となる行為からある程度時間も経っていて、
当時の関係者や証拠も多くが散逸してしまっているような場面。

 こういう場面では、
自分の持ち駒である客観的証拠は、
「箱入り娘」のように大事に大事にして、
そんな簡単に何も考えずにさっさと提出しちゃったらダメなのよ。

 もちろん、
裁判官の先入観との関係があるから、
何もしないというわけにはいかず配慮が必要。
 じゃぁ、
どうするかというと、
色々あるんだろうけど一つの方法としては、
事実主張と証拠提出を分けて考えることですね。

 まず、
事実主張としては、
持ち駒の内容も十分加味した上で、
合理性のあるストーリーを丁寧に示す形で、
それこそ早めにやってしまう。
 そして、
そのストーリーからぶれないように、
ただひたすら刷り込みを図っていく。

 もちろん、
その事実主張の段階では、
持ち駒である客観的証拠はまだ出さないのよ。
 とにかく、
何を言われようとも、
相手の詳細な事実主張を待つ、引き出す。

 そして、
ようやく相手の詳細な事実主張が出てきた段階で、
要は相手がストーリーの後戻りができなくなった段階で、
自分の持ち駒を出して相手のストーリーに穴を空ける、と。
 相手の主張全体の信用性に疑義を投げかけるわけですな。

 もちろん、
結審間近とか、
そんな遅すぎてもダメなのよ。
 後は、
証拠提出が少々遅かったぐらいで、
そんな簡単に重大な疑義が生じるとも思われないけど、
ホントにそういう類のものであれば、
多少早めに出すか又は存在だけ早めに匂わせておく、とかね。

 とにかく、
証拠提出はタイミングが命なんだから、
有名裁判官があの論文で「早めに!」って言ってたから、とか、
そんなので簡単にタイミングを決めちゃダメじゃないかな、と。


●本日のツボはここまで。

 まぁ、
弁護士さんによって色々なやり方があるんだけど、
それは言い換えれば、
絶対的な正解がないということであって、
事件毎に最良のアプローチを考えていかなきゃならん、と、
多分そういうことなんじゃないかなぁ、と。
 ひょっとしたら、
論者毎に想定しているケースが
それぞれ異なっていたりすることもあるのかも。

 いずれにせよ、
一つのアプローチを、
金科玉条のごとく考えない方が良いかな、と。
 後、
それを担当弁護士さんに押し付けないことね(笑)。


(2013年3月1日記)
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