上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

●事業譲渡するときによく入ってる、アレです。


●No Compete条項、
日本語でいえば競業避止義務を定めた条項のことです。

 例の如くザックリというと、
俺とは競争してくれるな、と(笑)、
そういうことを定めた条項ですね。

 このNo Compete条項は、
使用者と労働者との間でもよく問題になるものですが、
本日は、余り時間もないので(笑)、事業譲渡契約に入ってる方にしときます。


●さて、このような事業譲渡契約によく入ってるNo Compete条項ですが、
企業の方から、よく聞かれるのが次の質問。

 「独禁違反じゃないの?」

 まぁ、確かにですね、
俺とは競争してくれるな、と、そう言うんだから、
競争を制限していることは間違いないんですね。
 なので、事業譲渡契約に関する交渉戦術とも絡めて、
上のような質問が出てくるんです。

 で、実は、公取が出している各種のガイドライン、
これらは最近ではかなり充実してきてるわけですが、
企業結合ガイドラインを含めて、そのような公取のガイドラインには、
上記質問に答える記載がどこにも見当たらないんですね。


●じゃぁ、どう判断すればいいのか?

 まず手がかりとして真っ先に思いつくのは、
独禁法ではなくて、会社法の規定です
 
 会社法は何と定めているかというと、
事業を譲り渡す人(A)と譲り受ける人(B)との間で、
特に何も約束していなかったとしても、
Aさんは、同一の市町村内と隣接する市町村内では、
その事業を譲渡した日から20年間、同一の事業を行ってはいけないよ、と、
まず、そう定めてる(ルール①)。

 それから、Aさんがですね、Bさんに対して、
同一の事業を行いません、と、そう約束した場合でも、
その約束が有効なのは、その事業を譲渡した日から30年間だけですよ、と、
そう定めてあるんです(ルール②)。

 会社法という法律がですね、こう書いてくれてるわけです。
 だから、まず、この枠内であれば、
独禁違反という事態は出てこないんじゃないの?、と、
そのようにも考えられなくはないんですね。


●でも、です。

 上で述べたルール①は、その内容が比較的明確だからいいんですけど、
ルール②は、単に、30年を超えちゃダメよ、って言ってるだけなんですね。

 何が言いたいかというと、地理的範囲が明確になっていないんです。

 だから、仮に30年内だったとしても、
地理的範囲が余りに広すぎちゃったら、
やはり独禁違反が出てくるんじゃないかな、と。

 おそらくは、地理的範囲と年数が相関関係にあって、
地理的範囲が広ければ、独禁法で認められる年数は短くなるし、
逆に地理的範囲が狭ければ、独禁法で認められる年数は長くなる、
でも、長くなるといっても、会社法で上限は30年と決まってますよ、と、
こういう枠組みになるんじゃないかなと思います。

 ただ、そのような議論は、
どの商品またはサービスが問題になっているのか、
その市場の地理的範囲の広狭などによっても、変わってくるんでしょう。


●ちなみに、事業譲渡の場合におけるNo Compete条項が、
独禁法のどこに引っかかり得るかというと、
おそらくは「不公正な取引方法」のひとつである、
「拘束条件付取引」なんでしょう。

 取引先の事業活動を「不当に」拘束しちゃう条件を付けること、
そんなことはしちゃダメよ、と、
これが「拘束条件付取引」に関する独禁法の規制です。

 で、ここでのミソはですね、
「不当に」というところなんですね。
 「正当な理由がないのに」とはされていないんです。
 
 これは何を意味しているかというと、
公取が、その拘束条件の不当性を立証できて初めて、
独禁違反になるということなんですね。
 
 何でこんな建付けになってるかというと、
取引ってのは、元来、何らかの意味でお互いの事業活動を拘束し合うものなんです。
 そうじゃないと、安心してビジネスはできないですからね。
 だから、拘束条件について、何でもかんでも独禁違反とするのはおかしいんです。
 そこで、再販売価格の制限などのように一見しておかしいよね、と言えるもの以外は、
公取が、その取引に関わる具体的な事情を前提として、
その拘束条件はおかしいよね、と、そう立証できて初めて独禁違反になる、と、
そういう規制の建付けにしてるわけです。

 で、翻って事業譲渡の場面を考えてみると、
せっかくBさんがAさんから事業の譲渡を受けたのに、
その直後にAさんが別途、同一の事業を再開したら、
ちょっと待ってよ、と、そう思いますよね。
 やはりNo Compete条項がないと、安心して取引ができないんです。
 No Compete条項によってAさんを拘束する必要性が高いと言えるんだと思います。

 だから、基本的には、余りにおかしいといえるものでない限りは、
事業譲渡に伴うNo Compete条項が独禁違反とされることはないんだろう、と、
先ほど述べたような会社法の規定から導かれる枠組みをにらみつつ、
通常の交渉の中で大体予想される落とし所に持っていけば、
独禁は、まず問題にならないんじゃないの?、と、
現時点では、そういう感覚でいます。


●本日のツボはこれでおしまい。
 すいませんが、至急案件の真っ最中でして、更新が止まってました。
 ぼちぼちと再開していきますので、見捨てないでください(笑)。


(2008年2月1日記)
関連記事
Secret

TrackBackURL
→http://bookaholiclawyer.blog18.fc2.com/tb.php/17-675ba09a
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。