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●えぇ、言いますよ。でも、TPOに応じてね(笑)。


●懇親会などの席で、経営者や企業法務担当者の方が、よく口にされます。

 「弁護士さんの本音のところが聞きたいんですよ。
  で、結局、どれが一番よいと思ってるのか、ってところをね。」


●気持ちは十分にわかります。

 私自身、特に大きな金額の絡む案件では、
奥歯にモノが挟まっているような言い方をしている時がありますから(笑)。

 でも、何故、弁護士がそのような態度をとるのか、
ここも十分にご理解いただきたいんです。


●まず以って、弁護士は、
あくまで法律の専門家であって、経営の専門家ではないことをご理解ください。

 だから経営判断については責任を取れないんですね、当たり前ですが。

 もちろん、この点をどこまで厳密に踏まえてアドバイスするかは、
弁護士それぞれによって考え方に差があると思います。

 特にお年をかなり召された弁護士さんになると、
ホントに法律の説明のみで、それ以上は我々からアドバイスできません、となるか、
まぁ、この事案だったら、この方法でやったらどうですか、となるか、
両極端に分かれるようですね。

 だから、下の若い弁護士が、案件が前に進まないのにシビレを切らして、
少し経営判断に踏み込んだことを言おうとしても、
上の年いった弁護士がそれを横から止めてしまう、なんてことも、
少なからずありますね(笑)。

 まぁ、色々な考え方があるんでしょうが、
答えはきっと両極の中央ぐらいにあるんでしょう。


●次に、法律上のリスクは、
必ずしも白黒ハッキリしないということをご理解いただきたい。
 
 また、一口に「グレー」といっても、
そこにはグラデーションがあるんですよね。

 特に日本では、ビジネス法の分野において判例の集積が乏しいので、なおさらです。

 例えば、最近はやっている「少数株主の排除(スクイーズアウト)」なんかは、
まさしく、そういう場面なんだと思います。
 白でも黒でもない、グレーですと、
で、すごく濃いグレーでもないとは思うけど、すごく薄いとも言えないね、と。

 このような状況なので、
今そこにある法律上のリスクをどこまで踏まえて判断するのか、
これは会社のリスク選好によっても、かなり異なってくるのでしょう。

 だから、より一層、外部の弁護士が経営判断に踏み込みにくくなるのですね。


●と、ここまでは当たり前のことをツラツラと書いてきましたが、
じゃぁ、どうやったら本音を引き出せるのか?
言い換えれば、弁護士は、どんな場合になら、
経営判断にまで踏み込んだアドバイスをするのか?

 一言でいえば、その顧客との間で信頼関係があるとき、これに尽きるのですが、
ここでいう「信頼関係」、特に弁護士からみた「信頼関係」って何よ?ってことを、
私の経験に照らして紐解くと、以下のような感じです。


●まずは、その顧客の担当者が、
法律上、完全なリスク・フリーはあり得ないし、
そのリスクの程度を具体的かつ明確に見積もるのは難しい、
ということを理解しているかどうか、
ここを見極めています。
 
 特に大きな金額の案件になると、
担当者の方もナーバスになっておられるのか(無理もないですが)、
全ての判断を弁護士にお願いされることがありますが、
そうなったら、やはり弁護士も引いてしまいますね。

 予想損害金額をピンポイントに見積もることなんて、
少なくとも私にはできません(笑)。


●次に、その顧客の担当者が、
我々のアドバイスについて、どこまで書面にすることを求めてくるか、
ここを見極めています。

 法律の観点からみた各選択肢の得失についての一覧表や、
あるスキームに伴う法律上の論点についてのメモランダム・意見書、
これらは喜んでお作りします、と。
 これは我々の本来の仕事ですからね。

 そうでなくて、こちらが経営判断に少し踏み込んだ発言をした時に、

 「今の点、メモランダムにしてもらえませんか?」

 そうおっしゃる方がいます。

 無理ですって(笑)。

 で、一度でも、そういうことがあると、
それ以降は、ホントに淡々と法律の説明しかできなくなります。


●最後に、経営上の判断をする権限を持った方が、その場にいるかどうか、
ここを見極めています。

 裁判、特に刑事裁判では、伝聞証拠の信用力に懐疑的となります。
 別に裁判とまでいかなくても、日常生活でも伝聞の噂なんて当てになりませんよね。

 それと同じで、やはり伝聞では怖いのです。

 特に弁護士が経営判断に踏み込んだアドバイスをする際には、
そのニュアンスに細心の注意を払っているはずです。
 
 でも、それが伝聞になると、どう伝わるか、わかんないんですね。
 
 だから、怖いんですよ、ホントに。


●少なくとも私はこんな感じですので、
一度、「弁護士さんが本音を言ってくれない」とぼやく前に、
以上の3つの点を振り返ってみてはいかがでしょうか。
 
 そしたら、きっと、その「弁護士さん」に優しくなれるかもしれません(笑)。

 ちなみに、若干、「番外」的な点ではありますが、
その案件にちゃんと深く関与してくれる弁護士さんを選んでますか?
という点も大事だと思いますよ。


●本日のツボはこれでおしまい。
 短く書くのは少し諦め気味です・・・(笑)。


(2008年1月4日記)
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