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●改めて思う。やっぱ不景気の方が弁護士は儲かるし忙しいかも・・・(笑)。


●えぇ、久しぶりのエントリーで、かつ、冒頭から不謹慎な感じですみません(笑)。

 しかし、ホント、そう思うんですよねぇ。

 いや、もちろん、専門分野にもよるわけですが、
私のように、それなりに色々と手を出している弁護士からすると、
やっぱ不景気の方が少し忙しいかなぁ、という気はします。

 まぁ、「貧乏暇なし」とも言いますが・・・(笑)。


●さて、そんな不景気の最中で、
やっぱ弁護士の業務としても増えてくるのが倒産案件ですね。

 私も、倒産案件については色々な形で関わっておりますが、
その中で、特に民事再生と会社分割との関係について、
実務上、少なからず問題となっている点を書いておこうかな、と。


●既にご存じの方も多いかと思いますが、
民事再生手続きにおいては、事業譲渡に関して特則が置かれてますよね。
 債務超過の場合には、裁判所からの許可さえあれば株主総会の決議は不要とか。

 他方で、会社分割に関しては何も特則が置かれていない。
 なので、会社分割においては、
民事再生手続きにより必要とされる手続き(監督委員の同意とか)のほか、
会社法上の手続きも全て履行する必要があります。

 で、どうして、このような扱いの差があるのかというと、
今いち説得的な理由はないようなのですが、
どうも、やはり、民事再生手続きにおいては、
会社分割の利用例が、事業譲渡の利用例に比べて、余り多くないというのが、
一つの大きな理由のようです。


●じゃぁ、何で多くないのか?、と。

 最近は、倒産関連の書籍においても、
事業譲渡と会社分割を比較したマトリックスは、
色々な本に書いてますよね。
 なので、その点は省略します(笑)。

 そのようなマトリックスに書いてあったかどうかはともかく、
やはり会社分割だと、リーガルの観点から最も気になるのが、
「債務の履行の見込み」の点なんですよね。

 つまり、
会社分割の場合には、会社法により、
事前開示書類の中での記載項目として、
会社分割の効力発生日後における債務の履行の見込みに関する事項、
そういうものが挙げられている。

 でも、特に分割会社は、民事再生手続き中なんですよね。
 だから、債務の履行の見込みって言ったって・・・、と。


●さて、そのような問題はあるにせよ、
現実に、民事再生手続きの中で会社分割を行った例は複数あるわけです。

 それらの例は、じゃぁ、どうしているかと言うと、
効力発生日の前までに、再生計画を確定させてしまうわけです。
 言い換えれば、再生計画が確定してから、会社分割の効力を発生させる。

 そうすれば、「会社分割の効力発生日後における債務の履行の見込み」はあるよね、と。
 つまり、再生計画は、会社分割の効力発生日の前に既に確定してるんだから、
民事再生手続き中の分割会社はね、
その債務を、確定した再生計画に沿って履行すれば足りる、
だから、分割会社にだって、効力発生日後における債務の履行の見込みはあるよね、と。

 最近の不況下で、再び民事再生手続きの申立てが増えており、
その中で会社分割をやっている例もチラホラありますが、
いずれも、このような取扱いでやっているようですね。

 このような取扱いについての最大のポイントは、
再生計画の確定を待たなければ、会社分割の効力発生ができない、と、
そういう点にありますね。


●さて、本題はここから。

 よく言われるように、倒産会社って、「生モノ」なんですよね。生鮮品なんです。
 なので、やれることは、とにかく早く早く、と。

 だからこそ、弁護士は、こんなに苦労するわけで・・・、って、
まぁ、そんな弁護士の愚痴は良いとしても(笑)、
とにかく、やっぱりね、
再生計画をガッチリ作って、その確定まで待たなければ、会社分割はできないって、
それでは遅すぎると判断される案件もあるんじゃない?、と。

 そこで、敢えて問いたいんですよ。

 「ホントに、再生計画の確定を待たなきゃならんの?」、と。


●さてさて、
上記のような民事再生手続きにおける会社分割の取扱い、
実は、会社法が施行される前の、商法の時代に編み出されたものなんですね。
 
 で、商法の時代にはね、
会社分割に関して、会社法上の文言とは異なる点があったんですよね。

 既にご存じの方も多いかと思われますが、
商法の時代には、その明文の文言において、
債務の履行の見込みが「ある」こと及びその理由を記載した書面の開示が要求されていた。

 そして、会社分割法制の立法担当官自身が、
債務の履行の見込みの「ある」ことが会社分割の要件であるというようなことを言っていた。

 だからこそ、
会社分割が無効とならないように、
効力発生日後における債務の履行の見込みは「ある」と明確に言えるために、
わざわざ、会社分割の効力発生日よりも前に、再生計画を確定させる必要があった。


●でもね。
そもそも、会社法においては、
債務の履行の見込みが「ある」とまで明確に言う必要はないはずなんですよ。

 だって、会社法の文言では、
商法の時代と明確に異なっていて、
債務の履行の見込みに関する事項、
これを事前開示書類に書きなさい、と、
そうとしか言ってないんです。

 会社法のどこにもね、
債務の履行の見込みが「ある」ことが必要なんて、
そんなこと書いてないんですよね。

 まぁ、学者の一部には、商法の時代と同様に、
債務の履行の見込みが「ある」ことが必要だと主張されている方もいらっしゃいますが、
やっぱ文言から外れてますし、大方の支持は得られていないようです。

 で、そうするとね、
必ずしも、会社分割の効力発生日の前までに、
再生計画を確定させる必要は無いのでは?、と。

 つまり、
分割会社は、現在、債務超過の状態にあるんだけど、
別途、民事再生手続きが係属中なので、
会社分割の効力発生日後においては、
その民事再生手続きの中で今後確定される予定の再生計画に従って、
分割会社の債務は履行されていく見込みですよ、と、
単に、そう説明しておけば足りるんじゃないのかなぁ、と。


●ちなみに、
債務の履行の見込みが「ある」ことが法律上要求されていないとしても、
もちろん、そうは言ったって、通常の会社でね、
債務の履行の見込みが「ある」と明確に言えないような会社分割をやれば、
そりゃ、責任問題になりますよね。
 債権者異議手続きを利用した、多数の債権者からの異議も相次ぎ、
それに対する弁済や担保提供等の対応措置を検討せざるを得なくなることもあるでしょう。

 でも、民事再生手続き中の会社だと、話は違うのでは?、と。
 特に裁判所も関与する民事再生手続きにおいて、
そこで必要とされる手続き(第三者である監督委員からの同意取得など)を履行した上で、
その会社分割が行われていくわけですから、
「債権者を害するおそれがない」という理由で、
債権者からの異議を、対応措置なく撥ね付けることもできるのではないのかな?、と。


●本日のツボは、これでおしまい。

 最近、読んだ本の中で、
良い小説等を生み出す作家というのは、
世の中の常識に対する違和感を非常に強く持っている人だ、と、
そういうようなことが書いてありました。

 なるほどなぁ、と。
 
 なので、私のブログでは、今後とも、
現在の実務に対する違和感みたいなものを叩きつけるような感じで、
でも余り敵も作らないように巧く立ち回りつつ(笑)、
末永く、やっていきたいと思います。


(2009年4月19日記)
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