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●えーっと、ずっと前から言いたかったことを、短く二言、三言。


●既にご存じの方も多いかと思いますが、
公取より、再び、独禁法の改正案が国会に提出されてますね。
 前回の国会では、
確か審議未了で廃案になったんですが、
それを一部修正の上、再度、提出されてます。

 まぁ、いつもの如く、
その改正案の内容を逐一説明することは、
本ブログの性格に反しますので、
そこはバッサリと省略しますが(笑)、
やはり企業として気になるものの一つは、
課徴金制度に関する改正案の内容ですよね。

 特に課徴金を課すことができる違反行為の範囲をね、
不当廉売とか優越的地位の濫用などの、
いわゆる「不公正な取引方法」の一部にまで拡大する点とか、
カルテル等を主導した事業者に対する課徴金を5割増しにする点とか、
このような制裁強化を図る点ですね。


●で、こーゆーね、
制裁強化を図る方向の独禁法の改正案を見てね、

 「悪いことしたんだから制裁されるのは当たり前」、と、

 「グローバルに見ても独禁法違反は制裁強化が趨勢で、日本はむしろ遅れてる」、と、

そんな簡単に話を片付けようとする方が、
未だに決して少なくないことに驚愕してしまうこと、頻り。。。


●いや、私も別にね、
悪いことした人が制裁されるのは仕方ないと思ってますよ。

 また、「実は世界はフラットだったんだ」、と、
そんな発見が改めてなされるような現在の市場環境下において、
市場に関する基本法とも言うべき独禁法、
これへの違反が厳しく罰せられるべきことも、
まぁ、そうなんだろうなぁ、とは思うんですよ。

 でもね、

 「ちょっと待ってください」、と、

 「制裁強化よりも先にやることがあるでしょ?」、と。


●そもそも、今から数年前に、
課徴金の額が大幅に引き上げられた時から、

 「それって、順番が逆じゃない?」、と、

独禁法を扱う他の弁護士さんとともに、ずっと思ってるんです。

 何かというと、
やっぱ制裁を強化するんであれば、
その前提としてね、
そのような制裁を課す旨の決定を争うプロセスにおける公正性の確保、
これを強化する必要が先ずあるはずでしょ?、と。

 それなのに、
未だに審判手続きは廃止されないままって、
そりゃ無いんじゃないの?、と。

 しかも、数年前に、
その審判手続きすらも、個人的な感覚では「改悪」されちゃってて、
審判で争ってるのに、課徴金の延滞金が生じ得ることなどになってますからね。。

 
●で、この審判手続き、
「改悪」前のものを含めて実際に経験したことのある方は、
もう嫌というほど思い知ってることかと思いますが、
この審判手続きって、やっぱ「お手盛り」感、不公平感を拭えないんですよね。

 この点、
公取OBを含めた学者の方の中には、
審判手続きにおいては、
訴追する人と訴追される人、それから審理・判断を下す人を、それぞれ分断するという、
いわゆる対審構造が一部採用されているんだから、
公正性の確保は十分になされているはずだ、と、
まさに、裁判所における訴訟のような司法手続きに準じるものだ、と、
そんなことをおっしゃる方も少なくないですよね。

 でも、私に言わせるとね、

 「まず1回、審判手続における企業側の代理人をやってみてもらえませんか?」、と。


●そもそもね、
公取の下した決定に関する審判手続きにおいて、
公取自らが、その審判手続きの結論としての審決を下すんですよ。

 いくら、その手続きの途中部分において
先ほど述べたような対審構造が一部採用されていると言っても、
その手続きの結果として、最終的に判断を下すのは、
あくまで、本質的には訴追者たる地位にある公取なんですよ。

 こんな状況だけからしても、
対審構造を以って実現しようとした公正性の確保なんて、
簡単に吹き飛んでしまう可能性があるし、
少なくとも審判を受ける企業側の疑念は到底拭えないですよ。

 例えば、
こんな建付けでMBOの意見表明手続やったら、
フツーに少数株主等から怒られるでしょ?

 審判手続きについては、
他にも審査官側の手持ち証拠の問題や
裁判所では当然に検討される事実認定の基本原則が顧みられない問題とか、
色々と言いたいことはあるんですが、
まぁ、ちょっと自粛しときます(笑)。


●ちなみに、
専門性の観点から審判手続きはやはり必要だ、と、
そういう主張も、もちろんありますよ。

 別に私も独禁法案件の専門性を否定するつもりはありません。
 私自身、その点は身に染みるほど、知ってるつもりです。

 だけどね、
専門性があることが、現在の審判手続きの採用に直結するわけじゃないでしょ?、と。
 あくまで判断権者は裁判官とした上で、
別途、知財訴訟のように専門委員などの制度を設けて対応すべきことでしょう。

 少なくとも公正性の確保と専門性、
この2つをギリギリのトコロで天秤にかけた場合、
やはり、そこで重みを持たして傾けるべきは公正性の確保でしょう。

 現状は、そこのバランスが逆になってると思います。
 そうであるのに、
その点を是正せずに制裁強化だけを進めるのは、
独禁法に携わる一弁護士として、全く納得がいかないです。


●本日のツボは、これでおしまい。

 推敲段階で、大分削りました(笑)。

 前回のエントリーが遅れたことの罪滅ぼしとして(?)、
出来る範囲でとなりますが、更新頻度を少し上げていきます(空手形ですが…)。 


(2009年4月22日記)
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