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●「総会祭り」、開催中!


●「私は特別かしら?」という前回のツボでご紹介した、
今年の定総に関する法務省さんからの発表についてですが、
評判が悪かったのか、続報が出てるようですね。
 まぁ、前回よりかはマシな内容になってはいますが…。

 それはさておいて、
多くの会社さんとしては、
やはり従来どおり6末に向けて
淡々と準備を続けていくほかないような。

 ということで、
「総会祭り」を引き続き継続します!
   
 本日のツボは、
定総に付きものの事業報告について。


●まずは基本的なトコロから。

 この事業報告ってのは、
当然ながら「報告事項」なわけです。
 言い換えれば、
「決議事項」ではない、と。

 何が言いたいかというと、
決議取消しの直接の対象ではないわけですね。

 そうすると、
ちょっと不謹慎かもしれませんが、
決議事項の関連書類よりは少し気が楽かも?という部分はあるわけです。

 ただ、
報告事項の中でも、
決議事項と密接に関連する部分に誤りなどがあった場合には、
当該決議事項の決議取消しにつながる可能性があります。

 ここで注意してもらいたいのが、
特に取締役選任議案との関係なんですよね。
 前回のツボでも申し上げたとおり、
近時、取締役会の権限が拡大する反面として、定総の議題・議案数が減少するにつれ、
特に取締役選任議案の重要性が高まっていると言われています。

 そのような中で、
取締役の適格性に関連する報告事項、特に事業報告の内容ってのは、
当然かもしれませんが意外と広範にわたり得るのですよね。

 特に前回のツボで要注意と申し上げた、
取締役の独立性をはじめとする利益相反問題にかかわり得るものってのは、
これはもう、取締役選任議案との密接関連性を否定できない、と。

 なので、
特に取締役の利益相反問題に関する部分については
事業報告でも細心の注意が必要ですね。


●次に作成方針について。

 基本的には、
全株懇モデルなどをベースに淡々と作成するしかないわけでして、
それらを項目毎に逐一説明することは本ブログの趣旨に反するので避けますが(笑)、
まぁ、やはり一番留意してもらいたいのは、
言うまでもなく、他の各種書類との整合性についてですかね。
 特に参考書類と提出予定有報との整合性ですよね。

 ただ、
ここで認識してもらいたいのは、
「整合性」とは言っても、
無理に記載を揃える必要はないということですね。  

 例えば、
事業報告の中には
社外役員に関して「当社と重要な兼職先との関係」を記載しないといけませんね。

 この項目は、
前回のツボで説明した「会社との特別な利害関係」という項目と類似する点があり、
その相互間において絶対に矛盾があってはいけませんね。
 先ほども述べたとおり、特に利益相反問題に関する点なので要注意!、と。

 ただ、
あくまでこの2つの項目は、その対象とする内容が微妙に違うわけです。

 前回のツボで述べたとおり、
「会社との特別な利害関係」を記載するにあたっては、
「重要な兼職先」の全てを問題にする必要はないわけです。
 あくまで「特別な利害関係」を見出し得るかどうかが決め手であって、
例えば社外役員を務めているだけの会社との取引関係などは
敢えて触れる必要がないのではないか、と。

 他方で、
「当社と重要な兼職先との関係」を記載するにあたっては、
そのように「特別な利害関係」が見出し得るかどうかが決め手なのではない。
 単に「重要な兼職先」とうちとの関係はどのようなものか?ということが問題で、
「特別な利害関係」の項目よりも捕捉される範囲が広いのですよね。
 なので、先ほどの例に挙げたような、
社外役員を務めているだけの会社についても「重要な兼職先」に該当するなら、
当社との関係を記載しなくちゃいけませんね。
 
 で、そうは言いつつも、
両項目ともに「関係」という文言では共通してるわけでして、
特に取引関係や貸借関係、資本関係などの中身の記載については、
「特別な利害関係」のところに記載した内容と揃えておく方がよい、と。
 但し、
「重要な兼職先との関係」においては、「特別」性は問題とならないので、
特に資本関係については、子会社以上も未満も両方書いておきましょう。
 ちなみに、
取引関係については、一般的な取引条件に基づくなら記載不要との解釈がありますが、
何を以って「一般的な取引条件」なのか判断が面倒ですし、
今の実務の記載レベルであれば、まぁ、とにかく書いておくのが早いかな、と。

 後、
例えば報酬内容の開示の部分とか、
事業報告の内容よりも有報の内容の方が詳しい箇所ってのがありますが、
特にこだわりがあるなら別ですが、
無理に揃える必要まではないと思います。
 法律が違うし、要求されてる項目内容が違うんだから。
 無駄に説明義務の範囲を広げる必要もないと思います。
 同じ文脈の下で、
有報の定総前の提出ってのも、
昨年の多くの会社さんと同じように避けた方がよろしいかと。

 以上、
つまり何が言いたいかというと、
他の各種書類との整合性が大切とは言っても、
無理矢理にでも揃える必要があるのではなくて、
相違があるならあるで、仮にその相違について突っ込まれたとしても、
即座に合理的な回答ができるような統一方針を、
あらかじめ持っておきましょう、ということですね。 

 
●最後はキャッチオール項目について。

 事業報告でのキャッチオール項目というと、
「企業集団の現況に関する事項」の中の一番最後、
「その他企業集団の現況に関する重要な事項」という部分ですかね。

 で、この部分、キャッチオールなものだけに、

 「何をどこまで書いたらいいのか、よくわからん」、と。

 全株懇モデルの補足説明には

 「訴訟の提起・判決・和解、事故・不祥事、社会貢献等について記載する」

等と書いてますが、これだけだとちょっとまだ理解不足ですよね。

 このような漠とした問題については、
丁寧にその外延を画していく作業が有益ですね。

 まず第一に、内容面における外延。

 これは当然ですが、何が何でも記載する必要があるわけではないのです。
 他の項目で記載していない「重要」なものだけ記載すればいい、と。

 ただ、会社法には「重要」性の定義がない。
 だとすれば、他の関連する法令等の知識を借用すればいいのです。
 この場合は、
インサイダー規制の重要事実と取引所の適時開示基準を参照して、
これらに引っかかるようなものであれば「重要」性アリだし、
そうでないのであれば「重要」性ナシ、と、
そのように外延を画してしまえば良いと思います。

 但し、プレスリリースの中には、
適時開示基準に該当していなくても出している事項ってのもありますよね。
 それは、会社として少なくとも主観的には「重要」性を認めているからに他ならないかと。
 なので、そういうものについても、やはり事業報告に記載しましょう。

 第二に、時間面における外延。

 事業報告に盛り込むべき内容についての時間的限界は、
当該事業報告に関する取締役会の承認時点です。

 なので、この時点までに生じた事項であって、
上記のように「重要」性を有するものだけを盛り込めば足ります。
 
 但し、その時点以降に生じた事実であったとしても、
その事実について総会の場で株主から質問を受けた場合には、
取締役において説明義務が生じ得ることには留意を。
  

●とりあえず、
事業報告の総論として、
本日のツボはここまで。
 事業報告の記載は、
特に報酬に関する部分がややこしいのですが、
そこは余裕があれば報酬議案に関するツボで一緒に取り上げます。

 ちなみに、
今回の原発問題を受けて、
食品に付着した放射性物質に関する法定規制値を緩和しようという動きがあるようですが、
そんなことしたら、本当に隣接県の食品が今後一切売れなくなるのではないかなぁ。
 ハードローが信頼しがたいと過剰な自衛行為を誘発するという、
会社法の例の問題と似た感じの状況になってしまわないかなぁ、と、
そのように危惧しているのは私だけでしょうか。
 

(2011年3月30日記)
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