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●そろそろ息切れ感もある…、「総会祭り」。


●昨年の定総シーズンにおいて、
マスコミの関心を一番惹いていたと言われるのが、
1億円以上の連結報酬等をもらっている役員についての個別報酬開示。

 かつて、
日本の役員報酬と従業員賃金との差はさほど大きくなく、
役員報酬は平均で2000万程度などと聞いた記憶があったのですが、
さてさて、蓋を開けてみれば…、

 「アララ、やっぱりこんなにもらってたのねぇ…」、と(笑)。
 
 まぁ、これをどう評価するのかは人によって様々だとは思うのですが、

 「若者が夢見れるんじゃない?」、と。

 そういう評価も可能なのかもしれませんねぇ。

 ということで(?)、本日のツボでは、
役員報酬議案について、ポイントを軽く確認していこうかな、と。


●まずは賞与から。

 この点、
旧商法下での利益処分案の名残りを引きずってか、
会社法の下でもなお、
定総で毎年、賞与支給決議を獲っておられる会社さんが、
未だに相当数いらっしゃいますよね。

 理屈っぽいことを言うと、
既に以前決議を獲った月額/年額の金銭報酬枠内に賞与額が収まる限りは、
それに加えて敢えて別に賞与支給決議を獲る必要は理論的にはないような。
 もちろん、
上記会社さんも当然それを知っておられた上でなお、
株主意思を尊重する等の理由に基づき、
毎年の定総で決議を獲っておられるという理解ですが、
まぁ、私の好きな世間相場的な発想からすると、
そろそろ止めてもいいのかなぁ、という気もしますがね。

 ただ、上で述べた理屈はともかくとして、
これまでそのように賞与支給決議を毎年の定総で獲ってきた以上、
いきなり何も言わずにそれを止めるのは適切じゃないですので、
月額/年額の金銭報酬の枠内に賞与も含める旨の「報酬改定の件」について、
総会の決議を獲ってから初めて止めることになりますね。
 それから、
その「報酬改定の件」の決議を行う定総直後に支給予定の役員賞与については、
その「報酬改定」の対象ではなく、よって枠内支給ができないと解され得る以上、
その「報酬改定の件」の決議を行う定総までに限っては、前年と同様に、
個別に賞与支給決議を獲っておく必要があることに注意が必要。

 ちなみに、
賞与を含めるなら、やはり月額より年額での枠取りが良いですね。


●次に退職慰労金。

 ここ数年ですか、
退職慰労金制度の廃止が相次ぎましたよねぇ。
 特に機関投資家をはじめとする一部の株主さんからの強い不評を受けてのようですが、
その代わりに何が起こったかというと、
定例報酬を増額している例が多いようですね。

 業績不振や不祥事発生などによって、
退職慰労金支給決議が通らない可能性なども考え合わせると、
果たして、このような流れが上記株主さんの意図した方向と言えるのかどうかは、
いまいち良く分からないなぁ、という個人的感想。

 とはいえ、まだまだ、
退職慰労金を採用し続けている会社さんの数が相当数に上るのも事実。
 
 そこで気をつけてもらいたいのは、
まぁ、既にご承知の方も多いかとは思いますが、
ISSの退職慰労金に関する議決権行使基準が変更になってることですね。 
 しかも、この変更後の基準は、
かなり多くの会社が網に引っ掛かり得るということですね。  

 何かというと、

 「金額開示されない場合は、原則反対!」、と。

 一応、個別開示でなくて総額開示でも良いし、
正確な金額でなくて、丸めた金額で上限額を示す感じでも良いらしいですが、
退職慰労金については、
未だに多くの会社が額を示さない一任支給決議を獲っているし、
その前提としての支給基準ってのも本店に行かなきゃ見れないですしねぇ…。
 そういう意味で、
日本人の慎ましやかさという美徳(?)に反し得る基準ではありますね…(笑)。
 
 うん、ただ、まぁ、
こういう基準が出来た以上は、
ISSのクライアントが株主に多そうな会社さんは、
丸めた金額で上限総額を示す方法を採用するしかなさそうですよね。

 ちなみに、
最近少なからず問題となってるのが、
総会の一任決議を前提として、
支給基準に算定結果金額の減額の定めがない場合には、
総会において減額する旨の決議でもない限り、
そのような減額を実際に行えない可能性が高いということ。
 もちろん、そういう場合には、
そんな総会の決議を獲るのではなくて、
招集通知の発送前(支給基準の本店備置開始前)までに、
支給基準を変更しておく方が「実務的」ですかね。

 
●で、ストックオプション。

 これについては、
以下の2つの手続が問題となり得ることに留意が必要ですね。

 ①報酬の付与手続
 ②新株予約権の発行手続(特に有利発行手続)

 特に上記②に関しては、
有利発行として総会決議が必要となるかどうかに注意が必要、と。

 自社役員へのストックオプションで、かつ、
相殺払込(公正価額発行で、その払込金額を金銭報酬債権で相殺)の方式を採るなら、
有利発行性はまず気にしなくて良いですね。

 税制適格との関係等を理由に無償発行とするなら、
そこでの有利発行性の議論は、残念ながら、
先ほどの相殺払込方式を採る場合ほどにはクリスタル・クリアなものになりません。
 つまり、無償でも有利発行ではないと言えるためには、
対象役員の提供便益の公正価値が、
そのストックオプションの公正価額を超えるか、
超えてないにしても、それにかなり近い程度に達してる必要があるのですが、
そんなの神様じゃない限り、分からんですよね?、ということ。
 なので、
安全を期して有利発行の総会決議を獲ってる会社さんも少なくないです。

 ちなみに、
自社ではなく子会社等の役員等に対するストックオプションで、無償発行するなら、
色々議論はあるものの、やはり対象者は親会社に直接便益提供するわけじゃないので、
有利発行と整理して総会決議を獲るべきだと思います。

 で、
上記②の手続との関係で有利発行性が問題にならない場合であれば、
上記①の手続として、必要な年間報酬枠の総会決議を一度獲ってしまえば、
その後は毎年総会で決議する必要はないですからね。
 なるべく簡単に済むスキームが良いですね。


●最後に現物報酬。

 役員社宅の廉価提供が典型例ですが、

 「やはり現物報酬枠って決議を獲った方がいいのかしら?」、と。

 そのように聞かれることがありますが、
まぁ、仮に委任事務処理費用とは言えない場合であっても、
あくまで現在の相場観からしますと、
公正家賃額との差額が月額/年額の金銭報酬枠内に収まる限り、
特にそのような決議を獲らなくても大きな問題はないように思いますね。


●ちなみに、
一部の株主は良い顔しないかもしれませんが、
報酬方針に関する開示については、
現時点では余り無理しなくても良いような…。
 

●本日のツボは、これでおしまい。

 しかし、
ソフトバンクの孫さんの寄付金額にはビビりましたねぇ。 
 確かに夢見れるかもしれませんね、私には縁無さそうだけど…(苦)。


(2011年4月7日記)
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