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●「総会祭り」はラストスパートへ。


●「必要なのは『3つの勇気』?」という前回のツボで述べたとおり、
総会当日における決議取消原因の発生を防止するにあたっては、
やはり総会のシナリオを予めしっかり固めておくことがスゴく大事。

 その重要性は、
総会屋なき後の現代総会であっても全く変わりません。

 そこで本日のツボでは、
総会のシナリオを作成するにあたっての留意点をいくつか。


●で、まずは全体の構成。

 リーガルの観点からすると、
余り悩まずに、いわゆる「一括上程・一括審議方式」を採用すれば?という感覚。
 報告事項や決議事項の区別、それから各議題の区別などを行わずに、
これらに関連する株主からの全ての発言(質問や動議など)を、
シナリオ上、一つの時間枠のみで一括して受け付ける方式ですね。

 この方式が優れている理由は色々あるけど主なのは以下のとおり。
 
 前回のツボで説明したとおり、
総会シナリオを忠実に読み上げるだけでは対応できない部分が3つある。
 それは、質疑応答、動議対応、審議打ち切りタイミングの3つ。

 この3つの部分をできる限り一つの時間枠に限定できる点がまず一つの理由。
 全神経を集中させる部分を特定できるんですよね。
 人間、ずっと集中するのは無理ですから、これはこれでメリットが大きい。

 それから、これが一番重要な理由ですが、
審議打ち切りタイミングの判断が1回で済むということですね。
 特に決議取消原因が生じやすい部分ですから、
その判断が1回で済むというのは大変助かる。

 以上、
少なくともリーガルの観点からすると、
総会屋なき後の現代総会であったとしても、
「一括上程・一括審議方式」以外を敢えて採用しなければならない理由が
正直、余り見当たらないという個人的感覚。


●次に、付議の必要性。

 特に株主発言タイムの指定とか、
一括審議・一括上程方式の採用とか、
そういう大枠の議事進行ルールの設定に関して、
逐一総会に付議する必要は理論的にも実際的にもありません。

 特にこのような大枠部分に関しては、
できる限り不確定要素が紛れ込む可能性を排除すべきで、
議長がその裁量でドンドン決めていって良いし、そうすべき。

 IRの観点は、
質疑応答や審議打ち切りタイミングの部分で満足させればよいのです。
 なお、
審議打ち切りタイミングの決定にあたっては、やはり総会に付議すべき。

  
●最後に、開会と閉会の近辺部分。

 多くの総会でやってるのが、
開会前における司会(not議長)の事務説明。
 例えば、
携帯電話の電源は切ってね、とか、
この総会は録画してますよ、とか。
 そういう事務説明の中で、司会が、

 「そろそろ、第●期定時総会を始めさせていただきます。」、と。

 こういう司会の発言を盛り込んでるシナリオ草稿がチラホラある。

 凄く細かくて恐縮ですが、
開会宣言すべきなのは、あくまで議長であって司会じゃないし、
総会という法的に厳粛な場がいつ開会したのかというのは非常に大事だし、
開会時間の繰上げは決議取消事由にも該当するし、と。
 なので、
司会が最初の事務説明の中で
自ら開会宣言をしたかのように誤解を受ける表現は絶対に避ける、と。

 「そろそろ、開会の時刻が迫っておりますが、開会に先立って…」
 「それでは定刻となりましたので、社長、開会宣言をお願いいたします。」

 このような表現が無難です。

 それから、
開会宣言をする前にしないといけないことがあります。
 それは社長さんによる議長就任宣言。
 開会宣言と議長就任宣言が逆になってたりするシナリオ草稿もチラホラありますが、
あくまで開会宣言すべきなのは議長なのですから、
開会宣言より前に議長就任宣言が先行すべきなのです。
 ちなみに、議長就任についても、
普通は定款に定めがあるので、特に総会への付議は必要ありませんよ。

 その上で、
開会宣言をしたら、
報告・決議事項全ての上程をして、
その直ぐ後は株主発言タイムの指定。
 とにかくここまで、開会宣言から短時間に辿り着くようにする。
 この株主発言タイムの指定が大枠の肝ですからね。
 これは総会屋なき後の現代総会であっても変わりません。

 後、閉会間際の部分ですが、
決議事項の採決が終わったなら、
とにかく早めに閉会宣言して法的な総会の場を閉じてしまうのが大事。
 特に昨年は、
議決権行使結果に関する臨時報告書の記載を敢えて充実させるべく、
議決権行使の出口調査を行った会社さんもありましたが、
そのような出口調査に関する事務説明なども、
閉会宣言をした後で行えば足りるのであって、
閉会宣言前にダラダラやるのは避けるべき。
 後、
別にその事務説明をやるのは議長じゃなくてもいいですからね。


●本日のツボは、ここまで。

 意外と基本的な部分が疎かになってるシナリオ草稿が未だに多いという印象。

 とにかくポイントは、
総会の大枠部分について不確定要素を排除すること。
 まさにそのためのシナリオ作りなのですからね。

 総会屋なき後、「IR総会」と言われて久しいですが、
適法かつ合理的な大枠の早期確立を前提とした上で、
IRの観点を利かせるべきポイントがどこかを考えるという発想が大事。
 要は「IR総会」と言ってもメリハリが必要なのだと思います。


(2011年4月10日記)
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