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●前回のツボで敢えて回避した問題に、今度は真正面から突っ込みます(笑)。


●かつて昔(笑)、
親子間でも独禁違反?」という独禁のツボを書いたのですが、
このツボは未だにですね、
最近書いた「とにかく出せ?」というツボと張り合うぐらい、
アクセスを集めているようで、
いや、ホントに有難いことです。

 ただですね、
まぁ、分かる方には分かってしまったかと思いますが、
そのテーマに関して実は敢えて回避した問題というのがあったのですね。
 それは、
関東甲信越地区エコステーション事件(KES事件)の公取命令の評価。

 権威の方のご意見に逆らうことになるし、
このまま葬っちゃおうかなとも思ったのですが(笑)、
最近になっても原ツボへのアクセスが絶えないものですから、
ちょっとさすがに見かねて、やっぱり書いておこうか、と。

 なので、
本日のツボでは、
上記問題について正々堂々と真正面から突っ込みます。


●で、
まずはKES事件のポイント。

 これは至ってシンプルでして、要は、
100%兄弟会社4社の間での入札受注調整行為を、
入札談合、つまり不当な取引制限としちゃったんですよね。


●さてさて、
「親子間でも独禁違反?」でも述べたとおり、
100%親子関係においては、実質的に同一企業として一体なので、
通常、独禁はまず問題にならない、と。

 そうであればね、
100%兄弟会社の関係だって、
親会社を通じて実質的に同一企業として一体じゃないの?、と。
 なのに、
何で、不当な取引制限なんて言われないといけないのか?、と。

 実際、
独禁法の権威の先生からは、

 「グループ経営盛んな現代において時代錯誤で不適切な判断」、と。

 そんなかなり手厳しい批判が寄せられているのですね。


●ただね、
私個人的には、
この事件が問題にした場面に限って言えば、
公取の判断でも仕方ないかなぁ、という感覚ではあるのですね。

 というのは、
この事件ってのは、
指名競争入札における入札談合が問題になってるんですよね。

 で、特に、
発注者が一般競争入札ではなく指名競争入札を選択する際の条件として、
原則5社以上の事業者が指名により参加することが取り決められてた、と。
 要は、
指名競争入札というクローズドな入札でもいいけど、
その代わり最低でも5社を競争させて価格を決めてね、と、
それができない限りは一般競争入札しかダメよ、と。

 で、
そのような指名競争入札の参加者として、
同じ入札に100%兄弟会社4社が参加してるわけです。

 わかりますかね?
 このような状況で、
その4社が談合しちゃったら、
最低でも5社に競争させた上で価格を決めてね、と、
そういう指名競争入札についての特別条件が全うされないのは明らかですし、
元々がそのような特別条件付きで初めて認められるようなクローズドな状況なので、
競争に与える影響も甚だしい、と。

 なので、
この4社がそれぞれ指名されて入札に参加する際にも、
ちゃんと相互に競争することが前提になってたはずだし、
4社は各々そのことを認識してたはずなんですよね。
 現に公取解説も、
指名競争入札であることの他に、
4社が相互に競争関係にあると認識していたことを理由にしている。

 そうすると、

 「やっぱりアウトでも仕方ないかな?」、と。


●で、逆に言うとね、
100%親子間または100%兄弟間での不当な取引制限が問題とされるのは、
おそらく上記のような指名競争入札の場面に限られるのじゃないかな、と。

 一般競争入札の場面にまで同じ議論を持ちこむと、
ホントに他の一般的な企業取引全体にまで波及しかねない、と。
 それはさすがに不適切かな、と。

 この点に関して、権威の先生は、
指名競争入札に同じ議論を持ちこんでも、
他の一般的な企業取引全体にまで波及する可能性があるのではないか?、と、
なので、やはり全部セーフにすべきだ、と、
そのようにおっしゃるのですよね。

 確かに、
おっしゃるような可能性も直ちに完全には否定できないのですが、
ただ、実務家的な感覚からするとね、
それはそれでちょっと極端な気もするなぁ、と。

 特に上で述べたKES事件のような指名競争入札の場面では、
やはり独禁法上の悪性は明らかじゃないかな、と。
 そうだとすると、
その権威の先生が他の場面で用いてる論理を借用すれば、
独禁法上セーフの類型とアウトの類型とを分ける分水嶺ってのが、
どこかに確かに存在するはずであって、そうであるにもかかわらず、
その存在自体を否定することは許されないんじゃないの?、と。

 そういう意味で、
指名競争入札とそれ以外というあたりでラインを引いておく方が
実務的には落ち着きがいいように思うし、
その前提で読むということであれば、
KES事件の公取命令についても特に異議はないかなぁ、と。


●本日のツボは、ここまで。

 最近のモットーは、
「長いものには巻かれろ」です…。


(2011年4月23日記)
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