上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

●近時増えつつある所在不明・音信不通の無断欠勤社員への対応。


●最近、
少なからず相談を受けるのが、
全く所在不明・音信不通になっちゃって、
無断欠勤を続ける社員の方への対応。

 その背景には、
どうも非違行為や私生活での非行の疑いなど、
様々な事情がありそうなのですが、
何ともハッキリしたことが分からないことも少なくない。

 そういう状況の中で、
会社としてどう対応すれば良いのか?、
後、普段どういう備えをしておけば良いのか?、と。

 本日のツボは、
そのような点について幾つか述べておこうかと。

 
●まずやるべきことは、
とにかく本人との直接連絡を試みること。

 携帯や自宅固定電話への連絡はもちろん、
可能な限り自宅訪問してみることも大事ですね。
 ちなみに、
携帯への連絡については、
電話のみならずメール(ショートメールも)でも必ず。
 
 それでも、
本人と直接連絡が取れないのであれば、
今度は他人を介して連絡を取ることを試みる、と。
 そこでいう他人とは、
身元保証人のほか親しい同僚・友人などを含みます。
 
 で、
このような連絡の試みと同時に、
3日間の無断欠勤を確認した後、
それから5日間の無断欠勤を確認した後、
このそれぞれのタイミングで、
本人の届け出た自宅宛てに内容証明により出社命令を出しておくことも大事。


●以上の試みにもかかわらず、
本人との連絡がつかずに無断欠勤が続いた場合、
通常は就業規則の普通解雇事由に該当することになりますね。

 就業規則によく入ってる普通解雇事由は、
無断欠勤が2週間以上続いたら普通解雇よ、と。 

 で、まぁ、
2週間経った時に直ちに普通解雇するのでも悪くはないのですが、
2週間の無断欠勤を確認したタイミングで再度、
内容証明による出社命令を出した上で、
その3日後か5日後ぐらいに普通解雇する、と、
そういう一定の余裕を与えてあげることも、
実務上は検討に値しますね。

 ちなみに、
懲戒解雇事由の存在が疑われる場合には、
懲戒解雇の可能性を探る必要がないか、
前もって検討する必要もありますので注意。
 普通解雇の効力が発生した後では、
やっぱり懲戒解雇したいと思っても出来ないですからね。


●ただ、問題はこの先。

 じゃぁ、いざ普通解雇すると言っても、
その通知を本人に到達させる必要があるのですよねぇ。

 この場合に問題となるのが、
本人が所在不明・音信普通の中で、
どうやったら「到達」したと言えるのか?、と。
 
 まず一番最初に考えるべきは、
本人が届けてる自宅宛てに解雇通知を送ることで、
「到達」と言える余地が全くないのかどうか、と。

 ここでの「到達」ってのは、
本人に知られることが期待できるような、
本人の支配圏内に入ったかどうかで判断されるわけで、
必ずしも本人が現実に受領したり内容確認したりは必要ない。

 例えば、
本人が親族と同居してて、
その親族が解雇通知を受領している場合には、
「到達」ありと言える余地が出てくる。
 ただ、
その受領前に既に本人の捜索願いが出てて会社もそれを知ってる場合などは、
そのような解釈で良いのかどうか揺らぎが生じ得るわけですね。


●で、
そのように「到達」が否定される可能性がある場合、
選択肢として考えられるのは意思表示の公示送達ですね。
 これは、
本人の最後の住所地の簡裁に申し立てて、
その許可決定を得た上で裁判所と市町村役場での掲示を2週間行い、
その経過後に意思表示(解雇通知)の効力が発生するというもの。

 もちろん、
通常の方法では解雇通知が「到達」したと全く言えなさそうであれば、
この公示送達の方法を採ることになるのが通常ですが、
「到達」したと言っても良さそうだけど不安が残る、と、
そういう場合にまで敢えて公示送達を採るのかどうか、
実務上はこれが良く問題になるのですね。
 というのも、
簡裁の許可決定を得るためには、
相手方が所在不明であることについての調査報告書を出さないといけないなど、
まぁ、それなりに面倒な手続きなのですよね。

 で、
実務上はどうアドバイスしてるかというと、
後に「到達」してなかったと仮に判断されたとしても、
さほど大きな法的リスクは無いんじゃないかなぁ、と。
 特に賃金に関して言えば、
ノーワーク・ノーペイなわけですから、
会社にバックペイの支払い義務が生じるという場面でもないわけですよね。
 なので、
不安が残るという程度の場面であれば、
敢えて公示送達までしなくても良いのではないかなぁ、と。


●ちなみに、
元はと言えば、
就業規則上で長期無断欠勤の場合を普通解雇事由としてるから、
こんな問題が生じちゃうのですよね。

 なので、
就業規則上で、
定年退職と同じようなイメージで、
無断欠勤が2週間継続した場合は2週間の経過時に自動退職、と、
そう規定しておけばよいのではないかな、と。


●本日のツボは、ここまで。

 まぁ、
私もたまに消えたくなる時はあるので、
本人の気持ちも分からなくはないのですけどね。
 特に昨年は、
「旅に出ます。探さないでください」って何度言おうかと…(笑)。


(2011年4月30日)
関連記事
Secret

TrackBackURL
→http://bookaholiclawyer.blog18.fc2.com/tb.php/78-d638f558
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。