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●貴重な時間を無駄にしてませんか?


●今年も、
はやシルバー・ウィークまで終わってしまいましたねぇ。
 一年は何とも早いモノですなぁ。

 今年は夏休みを数日取れたので、
ぶらりと旅に出たり「奇貨居くべし」という小説を読み直したりなどしてました。

 というわけで(?)、
そろそろ契約のツボも飽きてきたので、
本日のツボで一旦メドを付けようかと。


●で、
本日お話ししたいのは契約交渉のこと。

 契約交渉ってのは、
経験ある人は大体分かってると思いますが、
上手く行く時はサラッと行くし、
上手く行かない時はスタックしまくりでニッチもサッチも行かない、と。

 でね、
大抵、ニッチもサッチも行かないときってのは、
まぁ、当たり前と言えば当たり前なんですが、
お互いに単に「言い合い」してるだけなのよね。
 もっと言うと、
お互いに言いたい放題言ってるだけ、と。

 まぁ、
我を通せるような力関係であれば、
そのような言いたい放題でも余り問題ないのかもしれませんが、
契約交渉が問題になる場合ってのは、そういう場面ではないわけで、
多少の力関係の差はあるにせよ、そう簡単に我を通せるわけじゃない。

 
●でさ、
そういうニッチもサッチも行かなくなった時に、
どうやって打開を図るのか、と。

 一つには、
「ただただ怒鳴る」という選択肢も無いでは無いが(笑)、
21世紀にもなって余りにも幼稚だよなぁ、と。
 そんなんで契約交渉が妥結するわけないしね。

 もう一つには、
「これが常識だ!」と叫ぶという選択肢もある。
 ただ、
弁護士になった当初に誰かから言われたことですが、

 「『常識』ってのは『井の中の蛙』が口にする言葉だ」、と。

 うん、
確かに今ならこの言葉の意味がよく分かる。
 「常識」なんて、
十人いれば十人なりの「常識」があるわけでね。
 これも契約交渉を前に進めるに何ら寄与しない。
 
 以上2つの選択肢の不合理性って、
こうやって書くと当たり前じゃないかと思うかもしれませんが、
実際の契約交渉の場では結構目にすることが多々あるのよねぇ。
 特に普段は我を通せるような場面ばかりの人が交渉担当者であれば尚更。
 しかも、
それが大の大人が雁首揃えてる場で行われるわけで、
ホントに時間の無駄だよなぁ…と思うこと度々。
 もっと他の有益なことに時間使おうよ。


●結局ね、
何が必要かというと、
ホントに当たり前なんだけど
双方向のコミュニケーションなのよね。

 ただ、
別に世間話をするわけじゃなくて、
それぞれが契約交渉の行き詰まり事項について具体的に何を懸念しているのか?、
まずはそれをヒアリングすることから始めなきゃね。

 で、実は、
少なからぬ行き詰まり事項は、
そのヒアリング作業だけで解決しちゃうこともシバシバ。

 例えば、
お互いに懸念していることや考えていることそれ自体に有意な差異はなくて、
ただ契約書のドラフト文言がその懸念などにジャストフィットしてなかったので、
お互いに無駄な「言葉遊び」を続けてただけとかね。

 後は、
ヒアリングに対して、
具体的に言葉で懸念点を説明できないとか、
後は自分で説明してて不合理だなと悟ったとかで、
いつの間にか要求取り下げという事態もあったりする。

 まぁ、中には、
上手く説明できないことが分かってか、
敢えてヒアリングに何も答えずにワーワー喚くだけの方もいらっしゃるが、
そういう時は一旦休憩を入れるなりして、
まともに取り合わなければ良いのですよ。


●もちろん、
懸念点をヒアリングするだけで終わらないことの方が多い。

 だけど、
お互いの懸念点を明確にすることで、
それぞれの要求のどこまでが合理的でどこからが不合理なのか?、
その懸念に別の手段で応えることができないのか?、
そういうことが見えてくることが少なくない。

 合弁契約で、
ドラッグ・アロング・ライトというのがある。
 これは、
合弁当事者が自分の持株を第三者に売る際に、
他の合弁当事者の持株をも一緒に当該第三者に売ることができる権利。
 もちろん、
当該第三者への売却条件は原則同一。

 例えば、
今、66:34で合弁を組成するとしましょう。

 その時、
多数派株主が少数派株主に対し、
ドラッグ・アロング・ライトを要求してきた。
 これに対して、
少数派株主は多数派株主に対し、
それなら自分も同様の権利が欲しいと要求してきた。
 これで、
契約交渉行き詰まり。
 さぁ、どうする?


●まず、
多数派株主からすると、
自分がドラッグ・アロング・ライトを持てないとなると、
あくまで100欲しい買主への譲渡が難しくなる。
 要は、
エグジットを容易にするためにも、
ドラッグ・アロング・ライトはどうしても欲しい、と。

 これに対して、
少数派株主としては、
多数派株主にドラッグ・アロング・ライトを付与すること自体には特に懸念はない、と。
 多数派株主が自分の持株を第三者に売るとなれば、
何処の馬の骨とも分からん奴を多数派と仰いで合弁維持は得策でない等の理由で、
多数派株主の売却条件と同一条件で売られるのであれば、まぁ良しとしよう、と。
 
 以上からすると、
多数派株主にドラッグ・アロング・ライトを付与すること自体には一応争いは無い、と。


●問題は、
34の少数派株主にドラッグ・アロング・ライトを付与するかどうか。
 
 この点、
少数派株主からすると、
いや多数派株主がドラッグ・アロング・ライトを付与されるなら、
公平の観点から我々にも同じ権利を付与すべきだ、と。
 もっと言えば、
自分たちは34というマイノリティなので、
そのままでは自己の持株を買ってくれる人もおらんだろうから、
多数派株主の株式を一緒に引っ張れないと事実上エグジットの機会が無くなる、と。

 他方で、
多数派株主からすると、
何で34という少数派株主の売却に、
66の多数派株主が引っ張られることを許容しなければならんのか?、と。
 多数派株主としては、
別に少数派株主が第三者と交代しても直ちに困るわけでもない。

 以上の懸念を前提として、
さてさてどう考えますかね?

 まず言えるのは、
34の少数派株主が66の多数派株主を引っ張るってのは、
やっぱり合理的な理由が見つけにくいよねぇ、と。
 なので、
66の多数派株主としては通常「うん」とは言わんでしょう。
 
 他方で、
多数派株主としても、
自分がドラッグ・アロング・ライトを確保するという形で、
自分のエグジットを容易にしてもらおうとしていながら、
少数派株主の同様の要望に対して何も応えないというのはムシが良すぎ。
 なので、
ドラッグ・アロング・ライトを付与できないにしても、
別の形で少数派株主の要望に応えてあげないと交渉はまとまらない。

 その一つの形が、
少数派株主に対してタグ・アロング・ライトを付与するというもの。
 要は、
多数派株主が自己の持株を第三者に売却する場合、
その売却に少数派株主も乗っかれる権利のことね。
 この権利を付与することで、
少数派株主のエグジット機会が広がるわけね。

 もちろん、
34の少数派株主としては、
タグ・アロング・ライトをもらったとしても、
多数派株主が第三者に売却しようとしないと何も出来ないと。
 言い換えれば、
ドラッグ・アロング・ライトがあれば、
自ら積極的にエグジットの機会を探っていけるけどそれができん、と。
 うん、
そりゃそうなんだけどさ、
そもそもエグジットの難しさは少数派株主の立場に本質的に内在する問題であって、
タグ・アロング・ライトをもらっても満足できないなら、
そもそも自分が少数派株主になるような合弁組成は諦めるべきなのでは?
 それ以上を求めるのは逆にムシが良すぎるような。


●本日のツボはここまで。

 頼むから生産的な時間の使い方をしようよね。
 人生の時間は有限だし、もっと読みたい本が世の中にはいっぱいあるし。


(2011年9月26日記)
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